観客席にて

観劇を趣味にしたい人のブログ。

信長の野望 冬の陣

 

信長の野望 冬の陣

2018.11.8〜11.12 シアター1010

https://www.nobunaga-stage.com/

 

織田・徳川side観劇。

 

f:id:antnhbkwtrds:20181124151451j:image

 

結論から言うととてもよかったです。

特に春の陣を観た方には

是非観ていただきたい。(もう公演終わってますが)

 

春の陣を生き抜いた彼らが

冬の陣でどんな生き様を見せるのか。

春の陣を知っているからこそ

涙なしでは観られない

胸が熱くなる展開がありました。

 

武田・上杉sideも心底観たかった……

 

 

 

 

以下ネタバレます。

あらすじなどは上記の公式サイトからご確認ください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

家康……

春の陣で癒しの存在だった徳川衆、

今回とてもしんどかった。

3人から5人に増えて、

賑やかになったかと思ったら。

家康が兄と慕う忠次の死。

信長は家康に何も告げず

独断で密かに忠次に命令を下していた。

これは確かにやりきれない。

 

さらに家康と直虎が夫婦になる(!)という

めでたいエピソードの後の

直虎の死。

直虎は自らの意志で信長を守り、

死んでいった。

家康と共に生きることを約束していたのに。

 

次回作は満を持しての織田vs明智

本能寺の変ですね。

家康がキーパーソンになるのは

間違いないと思いますが、

果たして家康は何を思い、どう動くのか。

 

直虎が遺した家康が天下を取るまでの詳細、

今まで織田から受けた恩、

そして忠次の死による信長への不信、

愛する人を失ったかなしみ。

 

言葉ではうまく言い表せない家康の表情が

とても印象的でした。

 

 

 

個人的に、徳川三人衆のコントが

見られなくなるのがとてもさびしいです。

バタバタと人が死んでいく乱世の物語の中で

彼らの存在は癒しでした。

 

 

 

それから、明智光秀

 

お主は何がしたいんじゃ!

というのが率直な感想です。

 

信長や秀吉と同じく、現代の記憶を持つ光秀。

今までの行動の根幹に帰蝶がいて、

帰蝶を手に入れるために手段を選ばず

策を弄してきたのだと言えば

まだ可愛げがあるのですが。

 

帰蝶を手に入れてもなお

何かを目論んでいる様子。

 

いや、そりゃそうか。

いくら本来の歴史から外れてきているとはいえ、

この後に待つのは

信長を討ち、秀吉に討たれる未来。

 

誰だって死にたくはないですもんね。

 

次は明智sideは外せないですね。

今まで何を考えているのかわからなかった

明智に焦点が当たるのが

楽しみすぎる。

 

もちろん都合がつけば両side観ます!

両side観たい。

今回は予定が合わず

泣く泣く武田・上杉sideを諦めましたが、

この舞台は両side観てこそだと思います。

 

乱世を生きる人々が

それぞれに何を思い、何を夢見て戦ったのか。

一人一人に信念があり、選択している。

 

春の陣は両sideとも観劇したので

自信をもって言えますが、

両side観た方がいいです。

 

それぞれに完結してはいますが、

両side観た方がおもしろい。

共通部分もありますが、

それぞれに全く違う物語が展開されます。

 

 

 

次回作を観に行く方へ。

 

シリーズ通して観劇されている方なら

ご存知かと思いますが、

信長の野望はとんでもなく情報量が多いです。

 

登場人物が多く、

それぞれにドラマがあることを

きちんと描く舞台なので当然の結果なのですが、

上演時間3時間では足りないくらい

これでもかと中身が詰まっています。

 

私のように原作ゲームの世界を知らず

歴史に疎くても十分楽しめますが、

初見だと面食らうと思います。笑

 

なので、可能であれば

春の陣、冬の陣を

円盤あるいは配信などで予習されてから

次回作に臨むことをおすすめ致します。

 

世界観を理解しておくだけで

かなり観やすくなると思いますし、

何より春、冬の陣あってこそなので。

 

散った命の上に生きる人々の物語なので、

前作を踏まえた方が断然おもしろいです。

 

 

 

さて。

まだまだ書きたいのですが、

長くなってきたので箇条書きにしてみます。

 

前田利家の最期、加賀百万石なんだから死ぬなと秀吉が語りかけるところ、泣いた

・森の息子が佐久間に命を救われたところ、泣いた

・信長に腹パンするお市、最高。笑

お市(田中れいなちゃん)、歌がうまい

・前作で浅井の武将赤尾だった役者さん(吉田宗洋さん)が今作で本願寺顕如を演じていて、役者さんのすごさを改めて感じた

足利義昭が相変わらずハッスルしてて最高。笑

顕如の坊主頭をぺちぺちする義昭、最高。笑

・私の好きな秀吉の出番が少ない(おそらく武田・上杉sideの方が秀吉の出番が多い)

・殺陣がすごい

 

そう、殺陣すごいです。

戦国時代なので当たり前なのですが、

めちゃめちゃ戦ってます。

中でも今作で登場する上杉謙信、強いです。

鬼のように強い。強すぎます。まさに無双。

 

余談ですが、春の陣は最前列で観ました。

間近に見ると殺陣の迫力がすごいです。

特に長物を振り回す人たち、かっこいい!

 

ただ観やすさで言えば、

この作品は真ん中かそれ以降の席で観た方が

いいと思います。

前述の通り物語が膨大なので

後ろの席で観た方が全体を把握しやすいですし、

紗幕にプロジェクションマッピングする

演出もあるので、

近いと逆に観にくいかもしれません。

 

ご参考までに。

 

 

 

信長の野望、おもしろいので

是非観てほしいです。

私は信長の野望の回し者でも何でもありませんが、

舞台のおもしろさを知ってほしい

もっと多くの方に舞台を観てほしい

という思いで今回筆を執りました。

 

舞台のチケットは決して安くはありません。

それでも、毎公演、

板の上で全力で紡がれる物語を、

多くの方に受け取ってほしいのです。

 

拙い文章ですが、誰かが

観劇に興味を持ってくださったら

観劇のおもしろさを

少しでもお伝えできたら幸いです。

 

 

 

 

 

 

おわり